沖縄にガラスが入ってきたのは、1600年代のことと言われています。本格的に沖縄で製造が始まったのは、明治時代ぐらいと言われています。当時はラン
プのホヤや蠅取り器などの製造が行われていたそうです。ただ当時のガラス工場は沖縄戦で破壊されたため、しばらく製造が止まっていました。
戦後、本格的な琉球ガラスの製造は、物のない時代に駐留米軍で飲まれていたコーラやビールの空き瓶を利用して、色付きのガラスを再生したことに始まるそうです。当初は原料がそのような空き瓶から製造されていたため、あまり品質は高くなかったのですが、職人の努力により琉球ガラスの技術は向上し、駐留米軍がガラス工場を訪れ、水差しやデカンタなどを注文するようになり、米国本土に帰還する際のお土産などとして、売れ行きも良かったそうです。そのような中、琉球ガラスの技術は向上し、今では沖縄観光のお土産として、有名になりました。
色とりどりの琉球ガラス
※各写真は商品ページにリンクしています。琉球ガラスの特長
琉球ガラスの特徴は、手作りガラスの持つ造形美と、気泡や色のグラデーションといった偶然の美しさでしょう。戦後、直ぐの頃は気泡は原料が原因のどちらかといえば、品質が低かったために入ったりしたのですが、今では気泡は琉球ガラスの特徴の1つとして、わざと入れられています。
また、底にひび割れが入ったものもありますが、ひびも特徴の1つです。製造する際に、温度差を与えひびを入れ、さらに焼くことで水漏れなどしないようになっています。
色についても同様で、当時は色々な原料ガラスが混ざっていたことで色が付いていましたが、今は特徴として色々な色の琉球ガラスが製造されています。中でも赤系の色はなかなか発色しにくく、温度を間違えると黄色っぽい色になってしまいます。そのため赤系の琉球ガラスは他の色のものよりも若干高くなっています。
琉球ガラスは手作り
我々が普段使っているガラス食器は機械による製造が中心ですが、琉球ガラスは全て手作りで製造されています。手作り故に一つとして全く同じ形の製品が無く、手に持ったときの肌触りは職人の暖かさが伝わってきます。
ガラス工場の中のガラス釜の温度は1300℃にもなるといわれています。また、工場の室温は40℃にもなり、蒸し風呂状態です。特にガラスを吹くときには、焼けたガラスからの熱でかなりの暑さになります。製造工程を横で見ていても熱風で汗が噴き出てきます。
琉球ガラスの注意点
琉球ガラスは、普段使う食器として綺麗でとてもいいのですが、残念なことに温度差に弱いということです。
熱湯を入れると急激な温度変化で割れてしまいます。だから基本的には冷たい飲み物、料理しか使えません。